アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル

 

感想

1994年のリレハンメル五輪の選考会となる全米フィギュアスケート選手権直前に起こった「ナンシー・ケリガン襲撃事件」。

当時日本でもワイドショーを賑わせたこの事件を中心に、トーニャ・ハーディングの半生を綴っていく映画です。

実際の事件を元にしているし、俳優たちは実名の役で、カメラに向かってインタビューに答えるように演技すしています。

いわゆるフェイク・ドキュメンタリーの手法を取っているのですが、その実、何が真実なのかはこの映画を見てもわかるわけではありません。

当事者たちの証言が食い違っていて、それをそのまま映像化しているので見ていても何が本当なのかわからなくなってきます。

 

しかしこの映画の目的は真実を明らかにすることではなく、なぜこんな事件が起きたのかをトーニャという人の人生を振り返ることで推測することであり、そしてよくわからない事件をよくわからないものとしてそのまま映像化することななのだと思います。

テンポよく話が進むし、登場人物が観客に向かって語りかける、いわゆる「第四の壁を破る」手法がとられています。

 

そして70年代〜80年代のロックナンバーがガンガンかかる中、実際に起きた事件を描いていく。

これはまさにフィギュアスケート版『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』でしょう。

出てくるキャラクター全員頭がおかしくてバカなところも似ている。

当時私はよく知らなかったのですが、元夫の友人であるショーン・エッカートって人はヤバいです。

劇中で最もヤバイ人ですが、その言動が実際にほとんど脚色なしという所もさらにヤバいです。

 

エンドクレジットで、実際のインタビューやニュースの映像が出てくるのですが、どのキャラクターも似すぎてて笑えます。

唯一脚色というか、想像で描いたのはトーニャの母親でしょうか。

実際、この部分が一番ドラマ的であり、強烈なキャラクターを見事に演じたアリソン・ジャネイはアカデミー受賞も当然のインパクトです。

悲壮な感じにならず、あくまでもカラッと仕上げたところがエンターテインメントとして最高だと思います。

 

あと、トーニャの幼少期を演じたマッケナ・グレイスちゃん。

『ギフテッド』でも最高の演技を見せてましたが、ここでもちょっと大人になった彼女が素晴らしい演技を見せてます。

この人、あと数年経ったらハリウッドでも最高の若手女優になるでしょうね。感想