ドローン・オブ・ウォー

 

感想

米軍の無人攻撃機部隊を描いた作品で、実話を基に制作されたそうです。

「兵士はアメリカにいながらイスラムを攻撃でき、夜になれば自宅でパーティだって出来る」なんて話をどこかで読んだ覚えはありましたが、あんなに鮮明なリアルタイム映像を観ながら、あれだけ正確にミサイル爆撃できるという事に驚かされます。

映画だからと誇張されているのではなく、実際にあれくらいやれるんでしょうね。

そして高精度だからこそ、自分達のその攻撃に民間人が巻き込まれたかどうかも分かってしまうという……。

 

主人公のトミーは元戦闘機パイロットで、現在はドローンの発射トリガー担当になっている男です。

序盤は普通に任務をこなしていた彼ですが、ドローン部隊がCIAの指揮下に置かれる中盤から徐々に疲れを見せ始めます。

というのも、CIAから下りてくる指示は何かと民間人を巻き込むものだからなんですね。

トミーを始めとするドローン部隊はその命令に抵抗を感じるものの、「敵を撃つ事が国防に繋がる。

見逃せば、奴らはいずれ我々の家族を撃つ」というCIAの言い分も分かってしまうため、命令を渋々と実行。

その攻撃は確実にテロリストを吹き飛ばし、同時に運の悪い民間人を巻き込み、そして主人公の精神を疲弊させていきます。

 

作戦を続けるにつれて疲れていくトミーが妻と不仲になっていくパートもそうですが、明るい兆しがほとんど見えてこないストーリーでした。

戦争は終わらないし、妻と子供は戻ってこない。

トミーも色々と思い詰めてしまって、最後はどうなるのか……といった感じです。

微かな救いは、トミー達の作戦で一人の女性が悪漢から解放された事ですが、あれもそのまま素直に喜んでいいものかどうか。

いや、女性にとってはそれこそ天の助けだったかもしれないのですけど。

 

そんな主人公が空を眺めるシーンが度々あって印象的でした。

映画前半は「また実機で空を飛びたい」という想いから空を仰いでいたのでしょうが、後半になるとその空への憧れがあまり感じられなくなります。

憧れではなく、偵察衛星の事が頭から離れなくなっての行為に見えました。

空はトミーにとって以前とは違う恐ろしいものになっていったのかもしれません。感想